みことば

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2023年1月27日礼拝

チャプレン 崔 大凡

[2023-01-27]

ペトロの手紙Ⅰ 4章12節~14節

愛する人たち、あなたがたを試みるために身にふりかかる火のような試練を、何か思いがけないことが生じたかのように、驚き怪しんではなりません。むしろ、キリストの苦しみにあずかればあずかるほど喜びなさい。それは、キリストの栄光が現れるときにも、喜びに満ちあふれるためです。あなたがたはキリストの名のために非難されるなら、幸いです。栄光の霊、すなわち神の霊が、あなたがたの上にとどまってくださるからです。

私たちの父なる神と主イエス・キリストから恵みと平安とが、あなたがたにあるように。アーメン。

みなさま、季節外れではありますが、お花見って好きでしょうか。私はお花見大好きです。それは言うまでもなく、桜を見るという大義名分にかこつけて、みんなでお酒を飲むことが出来るからです。

お花見を開催するにあたって、参考にするのが日本列島を桜の開花予想日で結んだ桜前線です。通常、桜前線は南から北へと北上して行きます。つまり、温かい土地から桜が開花していくわけです。

しかし、この桜前線に異常が起きているというニュースを目にしました。ここ30年ほど、九州ではソメイヨシノは北部の方が先に咲き、開花の地域が南に向かう南下現象が起きているそうです。これは地球温暖化で、桜の芽が低温で目覚める植物のメカニズム「休眠打破」がうまく働かないことが原因とみられています。ソメイヨシノは秋に芽を付けたまま休眠に入り、休眠から覚めるには春までの間に一定期間低温にさらされる必要があるのです。つまり、もともと暖かかった九州南部の気温がさらに上昇し、九州北部に比べて休眠打破に必要な寒い期間を確保しにくくなり、開花が遅れがちになっているというのです。このままのペースで温暖化が進めば、将来はソメイヨシノが開花しない地域も発生すると警告する専門家もいるそうです。

温かさの中で、春の訪れを告げると思っていた桜が、実は寒さがないと開花しないというのは意外でした。私は寒い冬が苦手なので、いつも早く春が来てくれないかと待ちわびているのですが、桜にとってはあんまり早く春が来られても困るということなのでしょう。

私たちも、日々の暮らしの中で苦しい思いや辛い経験をすることがあると思います。そのような時、私たちは「もし、この世に本当に神様がいるならば、なぜ、こんな辛い目に遭わなければならないのですか」と思うこともあるのではないでしょうか。

先ほどお読みしたペトロの手紙が書かれた時代、キリスト教の信徒はそれ

だけで迫害を受けていました。迫害の中にある信仰者たちを慰め、励ましを与えるために書かれた文書でありました。私たちは宗教を信じると聞くと、信じると何かいいことが起きると思われることがあるかもしれません。しかし、良いことしか起きない人生を送っている人などいるんでしょうか。私たちが生きていく中でそんな都合がいいことばっかり起こることはありません。聖書には、神様を信じる人にも苦難があるとはっきり書かれています。

この手紙を書いたペトロは「むしろ、キリストの苦しみにあずかればあずかるほど喜びなさい」と言います。苦しいときほど喜びなさいと言っています。一体どういうことでしょうか。キリストの苦しみとは、イエス・キリストが十字架につけられた苦しみのことです。イエス様は罪のない正しい人でありました。それにもかかわらず、十字架につけられて苦しみを受けたのです。それはなぜか。イエス様の苦しみの中に神様が働いてくださったことにより、私たちに救いが与えられるからです。

冬の寒さがなければ、桜が綺麗な花を咲かせることはなかったように、この困難を乗り越えたところに希望があると信じたいと思います。

望みの神が、信仰からくるあらゆる喜びと平安とをあなたがたに満たし、聖霊の力によって、あなたがたを望みにあふれさせてくださるように。