みことば

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4月14日 熊本地震を覚えて祈る祈り

チャプレン 崔 大凡

[2023-04-14]

414日 熊本地震を覚えて祈る祈り

 

先程、私たちが一緒に歌った歌のメッセージが、この後を生きる私たちへのメッセージ、また熊本地震と様々な災害によって悲しみの中にいる人々へのメッセージになることを 願います。

 

7年前、震度7以上の揺れが 2回、今日の日付の414日の夜と416日の夜、2回あった熊本地震でした。時間がある程度を過ぎたので、私たちの認識から少し離れていったような印象もあるかもしれませんが、この地域いた人々としては誰もが被災した大きな出来事でした。

昨日、地域のメディアから出された熊本地震に対する振り返りですが、 熊本地震によって直接亡くなられた方々は50名。しかし様々な形の関連死(災害による病気や怪我の悪化、その後の大雨による災害、避難所生活の長続き、余震に対する恐怖やストレス…)によって273名の方々が亡くなったと数えられているところです。怪我は 2736。避難者数18.3万人。ここにいる私たちも数日間の車で生活したりまたは避難所で生活したりしたことがあったことでしょう。長い人 で7ヶ月間も避難生活をされた方々もいたようです。被災した家屋198万戸。被害総額3.8兆円。

数値だけを振り返りたいわけではありませんが、この中にきっと私たち一人ひとりの過去と状況も含まれていることと思います。また、私たちより強い痛手、より悲しみを受けている人々が私たちの地域にいることと思います。

私たちは災害の後を生きる人として先ほど賛美しましたように、「恐れず」、「信じて」生きることを願うとともに、大きな悲しみと痛手を負った私たちの隣人と共に生きる人でありたいと思います。それがこの地域の中にあって、地域の隣人と共に生きる学校の姿だからです。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」ことを実践していきたいと思います。

限られた言葉での祈りではありますが、本日配布された「熊本地震と災害を覚えて祈る祈り」を共にお祈りをして参りましょう。

 

憐れみ深い、永遠の神さま。あなたはこの世界と私たちのために独り子イエスさまを惜しまず与えられました。私たちはあなたの前に罪深く、小さい者ですが、あなたの御心に信頼し、私たちの地域が熊本地震発生から7年が過ぎるに当たり、心を合わせて祈ります。熊本地震と様々な災害によって犠牲になられた方々を癒してください。また愛する人を失った方々を慰めて下さいますように。

(犠牲となられた方々、悲しみの中にいる人々を覚えてしばらく黙祷いたします。)

 

憐れみ深い神様。今もなお、困難の中を歩む地域と人々をかえりみてください。大きな喪失を経験し、痛手を負い、今もなお残されている災害の悲しみに踏みとどまっている人々の中に、あなたご自身がともに立ってくださり、どうかあなたの慰めと励まし、また忍耐する心と希望と愛をお与えください。

全員:主よ、私たちの祈りを聞いてください。

 

愛する神さま。熊本地震と他の災害の後に、真の父母のために働いている方々に、力を与えてください。災害の打撃と影響が残っている場所がありましたら、そこに回復をもたらしてください。また政治に携わる者に、あなたからの知恵と力を与え、復興政策が正義と平和と愛に基づいて行われるよう支え、導いてください。災害の記憶が遠くなり、災害地の痛みを忘れかけている私たちを改め、痛みを背負う方々に寄り添い、共に忍耐し、共に生きる心をお与えください。

全員:主よ、私たちの祈りを聞いてください。

 

神さま。私たちはこの世界で様々な災害と困難を体験します。熊本地震の他に水害などの自然災害、人間が自然を破壊したことによる災害、人と人とが対立し、戦うことによる災害、そして今もなお完全に終息していない新型コロナウィルスによる困難、これらの中に生きる私たちをかえりみてください。大切な人を失う人々、大切な人から離れて生きる人々、剥離と苦しみ、孤独の中にいる人々を癒してください。また苦しむ人々のために働き、地域と社会の安全のために努めている方々に慰めと助け、励ましをお与えください。

全員:主よ、私たちの祈りを聞いてください。

 

神さま、私たちを、耐えることのできない大きな悲しみと失望の中に沈めないでください。悲しみと苦しみによる連帯が、これらの試練の中で神の愛を実現させますように。御子イエスキリストが重荷のすべてを担ってくださっていることを信じ、感謝します。このすべての祈りを私たちの主イエスキリストによって、おささげいたします。アーメン。